レパトリエーション(Repatriation)とは、海外にある資金を自国内に戻すことを意味する経済用語です。略して「リパトリ」とも呼ばれます。
レパトリエーションには、以下の2つのパターンがあります。
- 海外子会社の資金を本国に送金する
- 海外で運用している資金を本国通貨に両替して本国に送金する
レパトリエーションには、以下の理由が考えられます。
- 海外での事業縮小や撤退
- 本国での投資や設備投資
- 税制優遇
レパトリエーションは、自国通貨の為替レートに影響を与える可能性があります。レパトリエーションによって自国通貨の需要が増えると、為替レートは上昇する傾向にあります。
日本では、2023年3月末時点で、海外に投資している資金の総額は約200兆円に上っています。このうち、日本企業が海外子会社から本国に送金した資金の総額は、約10兆円に上っています。
レパトリエーションは、企業の財務状況や経営戦略の変化によって変動します。今後も、海外事業の展開や為替レートの動向などによって、レパトリエーションの動きが注目されます。
以下に、レパトリエーションの具体的な例を挙げます。
- 海外子会社の売却
海外子会社を売却した場合、売却代金は通常、本国に送金されます。これは、海外子会社の資産を本国に還元するためです。
- 海外での事業拡大
海外での事業拡大のために、本国から資金を送金する場合があります。これは、海外子会社の設備投資や人材採用などに充てるためです。
- 税制優遇
本国で税制優遇を受けるために、海外で稼いだ利益を本国に送金する場合があります。これは、本国で利益を計上することで、法人税を減らすためです。
レパトリエーションには、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
- 海外事業の縮小や撤退によって生じた資金を本国で再活用できる
- 本国での投資や設備投資を拡大できる
- 税制優遇を受けられる
デメリット
- 海外子会社の資金繰りが悪化する可能性がある
- 本国通貨の為替レートが上昇する可能性がある
レパトリエーションを行うかどうかは、企業にとって慎重に検討すべき課題です。
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