CMP

化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)は、研磨剤(砥粒)と研磨液の化学作用と、研磨対象物との機械的運動を組み合わせることで、高速かつ平滑な研磨面を得る技術です。

CMPの特徴
高い平坦度: CMPは、微細な凹凸を効率的に除去できるため、非常に平坦な表面を得ることができます。これは、半導体製造や光学素子製造などの分野で求められる重要な要件です。
高い除去速度: CMPは、従来の研磨技術よりも高速に材料を除去することができます。これは、生産性の向上やコスト削減に貢献します。
選択研磨性: CMPは、材料の種類によって研磨速度を調整することができるため、選択研磨性が高いと言えます。これは、複雑な形状をした材料を研磨する際に有効です。

CMPの仕組み
CMPの仕組みは、以下の3つの要素が複合的に作用することで実現されます。

研磨剤(砥粒)の機械的研磨作用: 研磨剤は、研磨対象物の表面を物理的に削り取ることで研磨を行います。
研磨液の化学作用: 研磨液は、研磨対象物の表面を化学的に溶解したり、研磨剤の研削能力を向上させたりすることで、研磨効果を促進します。
研磨対象物と研磨パッドとの相対運動: 研磨対象物は、研磨パッドの上で回転したり、往復運動したりすることで、研磨剤と研磨液が均一に作用します。

CMPの用途
CMPは、主に以下の分野で用いられています。

半導体製造: ウェハーの平坦化、配線形成、ゲート形成など
光学素子製造: レンズ基板の研磨、光学ディスク基板の研磨など
HDD製造: プラターの研磨
その他: 液晶パネル基板の研磨、金属基板の研磨など

CMPの課題
CMPは、多くの利点を持つ優れた研磨技術ですが、一方で以下のような課題も存在します。
研磨液の消費量が多い: CMPは、大量の研磨液を消費するため、ランニングコストが高くなります。
廃棄物処理が課題: CMPで発生する廃棄物は、有害物質を含んでいる場合があり、適切な処理が必要です。
装置の初期投資が高い: CMP装置は高価であり、導入に大きなコストがかかります。

今後の展望
CMPは、上記のような課題を克服しながら、さらなる技術開発が進められています。具体的には、以下のような取り組みが行われています。
低消費・低排出型研磨液の開発: 環境負荷を低減した研磨液の開発が進められています。
廃棄物処理技術の開発: CMPで発生する廃棄物を効率的に処理する技術の開発が進められています。
低コストなCMP装置の開発: 導入コストを抑えたCMP装置の開発が進められています。
これらの技術開発が進展することで、CMPはより環境に優しく、コストパフォーマンスの高い技術として、今後ますます幅広い分野で利用されていくことが期待されています。

関連銘柄
3104:富士紡ホールディングス
3405:クラレ
4004:レゾナック
4005:住友ケミカルエンジニアリング
4088:エア・ウォーター
4185:JSR
4188:三菱ケミカル
4368:扶桑化学工業
4452:花王
4901:富士フィルム
5201:AGC
5331:ノリタケ
5384:フジミ
6140:旭ダイヤモンド工業
6266:タツモ
6361:荏原製作所
6856:堀場製作所
7729:東京精密
7911:トッパンインフォメディア(凸版印刷)
ニッタ・デュポン(5186:ニッタが過半数出資)
日鉄ケミカル&マテリアル(親会社:5401:日本製鉄)

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