グロース市場上場基準

1. 形式要件

数値で定められた客観的な基準です。グロース市場の主な形式要件は以下の通りです(上場時見込み)。

  • 株主数: 150人以上
  • 流通株式数: 1,000単位以上
  • 流通株式時価総額: 5億円以上
  • 流通株式比率: 25%以上
  • 公募の実施: 500単位以上の新規上場申請に係る株券等の公募を行うこと (一定の例外あり)
  • 事業継続年数: 1年以前から株式会社として継続的に事業活動を行っていること
  • 監査: 新規上場申請のための有価証券報告書に記載及び添付される財務諸表等が、適切な監査を受けていること
  • 株式事務代行機関の設置
  • 単元株式数: 100株となる見込みがあること
  • 株券の種類: 原則として議決権付株式を1種類のみ発行していること
  • 株式の譲渡制限: 原則として譲渡制限がないこと
  • 指定振替機関における取扱い

重要な点として、プライム市場やスタンダード市場に設けられているような、収益基盤や財政状態に関する定量的な基準は、グロース市場にはありません。これは、事業実績がまだ十分でない成長企業の上場を促進するためです。

2. 実質審査基準

形式要件を満たした企業に対して、上場企業として適格性を備えているかを審査する基準です。グロース市場では、特に以下の点が重視されます。

  • 企業内容、リスク情報等の開示の適切性: 経営に関する重要な情報やリスクなどを、投資家に対して適時・適切に開示できる体制が整備されているか。
  • 企業経営の健全性: 事業が公正かつ忠実に遂行されているか。
  • 企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性: 企業の規模や成熟度に応じて、適切なコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が整備され、機能しているか。コーポレートガバナンス・コードは基本原則のみが適用されます。
  • 事業計画の合理性: ビジネスモデル、事業規模、リスク要因などを踏まえ、合理的な事業計画が策定されており、その計画を遂行するための事業基盤が整備されているか、または整備される合理的な見込みがあるか。**「高い成長可能性」**はこの事業計画の合理性を通じて評価されます。
  • その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項: 株主の権利内容や行使状況、経営活動や業績に重大な影響を与える紛争の有無、反社会的勢力との関係がないかなどが確認されます。

上場維持基準

上場後も、以下の基準を維持する必要があります。

  • 株主数: 150人以上
  • 流通株式数: 1,000単位以上
  • 流通株式時価総額: 5億円以上
  • 流通株式比率: 25%以上
  • 売買高: 月平均10単位以上
  • 純資産の額: 正であること (上場後3年経過後から適用)
  • 時価総額: 上場10年経過後40億円以上

注意点として、グロース市場の上場維持基準については、上場10年経過後の時価総額基準の引き上げなどが議論されています。