超電導

超電導は、ある種の物質を極低温に冷却すると、電気抵抗がゼロになるという不思議な現象です。この状態では、電流がエネルギーを失うことなく永遠に流れ続けることができます。

超電導が起きる理由
超電導は、物質内の電子がペアを作り、集団で運動することで起こると考えられています。この電子ペアを「クーパー対」と呼びます。クーパー対は、物質内の格子振動(フォノン)との相互作用によって安定化され、まるでスーパー流体のように障害物なしに自由に流れることができます。

超電導の特徴
電気抵抗がゼロ: 電流がエネルギーを失わずに流れ続けるため、エネルギーロスが非常に少ない。
マイスナー効果: 超伝導体内部に磁場が入ることができない。磁力線が超伝導体の表面を回り込むように変化する。
完全反磁性: 超伝導体内部に磁場が存在できないため、外部から磁場を加えても、超伝導体は磁場を打ち消す方向に磁化される。

超電導の応用
超電導は、その特異な性質から、様々な分野で応用が期待されています。

電力輸送: 電気抵抗がゼロのため、長距離送電での電力損失を大幅に削減できる。
磁気浮上: マイスナー効果を利用し、リニアモーターカーなどへの応用が期待されている。
医療機器: MRI(磁気共鳴画像装置)など、高磁場を必要とする医療機器に利用されている。
量子コンピュータ: 超伝導回路は、量子コンピュータの重要な構成要素の一つとして注目されている。

超電導の課題
低温環境: 超電導現象は、非常に低い温度でしか起こらないため、液体ヘリウムなどの冷却剤が必要となる。
高価な材料: 超電導体となる物質は、一般的に高価であり、大規模な実用化にはコストが課題となる。
高温超電導体
近年では、液体窒素温度(約-196℃)付近で超電導を示す「高温超電導体」が発見され、超電導の実用化が大きく進んでいます。高温超電導体の発見により、冷却コストを大幅に削減できるため、より広範囲な分野での応用が期待されています。

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