キオクシアとWDの経営統合破談

10/27

米ウエスタンデジタル(WD)と日本のキオクシアホールディングスは、
経営統合を目指していたが、交渉を打ち切ったことが分かった。

WDとキオクシアは月末の合意を目指しており、
日本の3メガバンクなどは先週、1兆9000億円の融資を確約。
合意に向けて前進したが、出資する韓国のSKハイニックスは統合に同意しておらず、
中国競争当局の承認取り付けがもんだいとして残っていた。

半導体大手のキオクシアと米ウエスタン・デジタル(WD)の経営統合交渉が難航しています。キオクシアは、東芝の半導体メモリー事業を分社化して設立された会社で、筆頭株主は米投資ファンドのベインキャピタルです。WDは、米国の半導体大手で、キオクシアと合併することで世界最大の半導体メモリーメーカーとなる計画でした。

しかし、キオクシアには韓国の半導体大手SKハイニックスも出資しており、SKハイニックスはWDの主導権が強まることを懸念しています。そのため、キオクシアとWDの経営統合交渉は、SKハイニックスの同意が得られずに難航しています。

もし、キオクシアとWDの経営統合交渉が不調となった場合、携帯電話大手ソフトバンクがキオクシアに出資して連携する案が浮上しています。ソフトバンクは、AI(人工知能)に関連した事業を強化しており、キオクシアからメモリー半導体を安定的に調達する狙いがあると考えられます。

キオクシアは、当面の運転資金や既存の融資の借り換えなどに充てる資金が必要なため、三井住友銀行などメガバンク3行と日本政策投資銀行に対し、2兆円規模の融資を求めています。しかし、キオクシアとWDの経営統合交渉が難航しているため、銀行団も融資の判断を保留しています。

キオクシアとWDの経営統合交渉は、経済安全保障の観点から、日米の両政府も深く関わっています。両政府は、キオクシアとWDの統合によって、日本の半導体産業の競争力が強化されることを期待しています。

一方、携帯電話大手ソフトバンクは、AI(人工知能)に関連した事業を強化するため、キオクシアに出資して連携する案が浮上している。ソフトバンクは、AIの普及に伴う膨大な情報処理に必要なデータセンターを全国各地に整備する計画だ。出資を通じて関係を強化し、キオクシアから、データを記憶する高性能のメモリー半導体を安定的に調達する狙いがあるとみられる。

SKハイニックスの反対やソフトバンクの出資案など、交渉の行方は流動的です。

■ダイヤモンド半導体関連銘柄
■パワー半導体関連銘柄
■半導体製造装置関連銘柄
■半導体部品、部材関連銘柄
■SiC半導体関連銘柄

会員専用のサイトで、グロース市場を中心に新興個別銘柄の値動き、市況、株価に影響を与える個別材料・注目点・投資のヒント等をタイムリーに情報提供。
相場の流れを掴み、各種情報から投資先を選定していきたいという方におすすめです。
お申込みはこちらから